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職人泣かせのストレートヒンジ

工房の様子

黒檀や紫檀など熱帯地方の銘木を総称して唐木と呼びます。遣唐使が中国から日本に持ち帰ったことが呼び名の由来で、古くから貴重な木材として珍重されてきました。徳島県は、唐木仏壇の生産高が全国第一位の産地で、黒檀と紫檀の木目が美しい「エルドラード」と「コリドール」を製造している工場に訪れました。

重厚感のある唐木を用いていても、すっきりとモダンな現代仏壇。シンプルなデザインにはごまかしがなく、職人の経験と感覚に支えられていると改めて実感しました。

木材の加工風景1 木材の加工風景2

作業場は鼻をくすぐる木の香りに満ちていました。現代仏壇の製造工程は大きく分けると下記のようになります。

  1. 木取り(粗切り)・・・定尺の材料を正式な寸法から1㎝ほど大きくカットする
  2. 加工・・・面取り、穴あけ、溝彫りなど加工して、正寸にする
  3. 研磨・・・サンドペーパーで研磨して、木肌を整える
  4. 塗装・・・下塗り、中塗り、上塗りと塗り重ねていく(3と4をくり返す)
  5. 組み立て・・・各パーツの組み立てや扉の取り付けを行う


塗装前の木材パーツ 職人による研磨・塗装作業

加工されたパーツは一つひとつ丁寧に磨かれて、塗装室へまわされます。黒檀や紫檀はヤニ(樹液に含まれる有機成分)が多いので、ヤニどめを塗って抑えないと浮き出てくるそうです。黒檀の場合は、塗装→乾燥→研磨を5回もくり返して仕上がります。夏場は表面の乾燥が早すぎて、塗膜の中に気泡が入ることもあるとか。その日の気温と湿度によって、長年の経験から微調整を加えます。塗装は木目の美しさを引き立たせる、まるでお化粧みたいだなと思いました。

ウォールナットなどの木材加工

こちらの工房では唐木を用いた仏壇に加え、世界三大銘木のひとつ「ウォールナット」を使った仏壇も製作しています。無垢材ならではの重厚感を活かしたベストセラー「ハバネラ」や「メヌエット」、吉野杉とのコントラストが印象的な「剱(つるぎ)」など、洗練されたデザインの数々は熟練の加工技術によってはじめて実現しています。

ストレートヒンジの取り付けイメージ

▲ストレートヒンジの取り付けイメージ

なかでも注目していただきたいのが、扉と本体をつなぐ「ストレートヒンジ」。工房を訪れた際には、ちょうど「グィィン、グィィン」と電動ドリルの音を響かせて、ストレートヒンジの取り付けが行われていました。現代仏壇が開発したストレートヒンジは、一般的な丁番のような羽根がなく、棒状につなげた軸を45度で本体と扉にネジ留めして回転させます。

ストレートヒンジの取り付け作業風景

「最初は角度を間違えて突き出たり、電動ドリルを滑らせて傷を付けたり、散々な目にあいました」と苦い経験を教えてくれました。今では体に45度の角度が染みついているとか。ためらいもせずに次々とストレートヒンジのネジを留めていく姿には、頭が下がります。

滑らかな角の仕上がり

ギャラリーメモリアに来られたら、現代仏壇の角を指でなぞってください。スゥーと滑らかな手触りに驚かれることでしょう。また、正確に取り付けられたストレートヒンジや、棚板と側板との内角をじっくりとご覧ください。その上質な仕上り感に、職人のものづくりに対する真摯な想いが伝わると思います。

現代仏壇はシンプルなので、自動車のハンドルのような「遊び」となる部分がなく、非常に作りにくいデザインです。「キッチリとつくる。本当に、ただそれだけ。」と静かに語る職人の言葉が、心の奥まで響きました。

【取材協力】
浜野工芸

<商品ページ>
・エルドラード1500
・コリドールⅡ
・ハバネラ1100
・メヌエット1100
・剱
・ワルツ28号
・バラード
・マロウダーク
・クォークプラス

お近くの現代仏壇の店舗ギャラリーメモリアでぜひご覧ください。
デジタルカタログもご用意していますので、気になる方はぜひチェックを。

※記事中の商品情報や価格は、掲載当時のものです

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